辞典の5W1H

「辞書はことばの海を渡る舟である。」これは、日本で最初の本格的国語辞典『言海』を編纂した大槻文彦の言葉です。翻訳者の皆さんは、プロの航海者として、日々、この海を渡っているわけであり、その船である辞書についても興味をお持ちのことと思います。このセッションの前半では、英和辞典・和英辞典・国語辞典の執筆経験に基づき、次のような辞書の5W1Hについて、講義形式でお話します。

WHEN:    辞書の歴史は、いつ始まったか。
WHO & WHERE: どこの誰が辞書を書いているのか。
WHY:    辞書はなぜ改訂されるのか。なぜ辞書によって記述が違うのか。
WHAT:    辞書には何が書かれているか。
HOW:    辞書はどのように執筆されるか。

後半は、グループに分かれ、5W1HのうちのWhatとHowを、ワークショップの形で体験していただきます。英和辞典の作業としては、英語の新語に訳語を付けて注釈を入れる、和英辞典の作業としては、日本的な事物の説明的英訳を書くという予定です。

 

Profile: 森口稔

長浜バイオ大学・京都外国語大学・龍谷大学非常勤講師、辞書執筆者、翻訳者。大阪市出身。北海道大学卒業、米国南部工科大学修士課程テクニカルコミュニケーション専攻修了。大阪府立大学博士課程単位満期退学。雑誌社や大手メーカーでの勤務、高校・大学での教員などを経て現職。テクニカルコミュニケーション学術研究会代表、テクニカルコミュニケーター協会評議員。著書に、『テクニカルコミュニケーションへの招待』(三省堂、2013)、『基礎からわかる日本語表現法』(共著、くろしお出版、2015)、『日本語を書くトレーニング』(共著、ひつじ書房、2003)、『ジーニアス英和辞典第5版』(校閲、大修館書店、2014)、『三省堂国語辞典第七版』(執筆協力、三省堂、2014)、『ジーニアス和英辞典第3版』(編集協力・校閲・執筆、大修館書店、2011)など。現在、日本を英語で紹介する辞書、Dictionary of Japan in English(仮称)の2017年出版を目指して執筆中。趣味はクロスカントリースキー。